AI を日常に届ける道が二つに分かれた。片方は使い方を無料で教えに行き、もう片方は使える量を月額で売る。
OpenAI が、高齢者向けの IT 支援団体 OATS と組み、米国 10 都市で 1,000 人を対象にした無料の対面講座を開くと発表した。旅行の計画づくりや請求書の読み解きを扱う。急かす文面や不審なリンクといった詐欺の兆候を ChatGPT に確かめさせる演習も入る。同社によると、米国のやり取りのうち 55 歳以上によるものは 1 年で 6% から約 10% へ伸びた。一方 Meta は、アプリをまたぐ機能と AI の利用枠を束ねた月額プラン「Meta One」を世界で始めた。
二つは同じ方向に見えて、想定する詰まりどころが違う。OpenAI が置いているのは「使い方が分からない」という壁で、だから対面の教室に人を呼び、詐欺を見抜く練習まで入れた。Meta が前提にしているのは「もっと使いたい」で、枠を月額で売る形にした。前者は利用者を増やす話、後者は既に使う人から回収する話だ。どちらが主流かは、この二つからは決まらない。ただ AI が、無料で試すものから教えるものと売るものへ分かれ始めたことは読める。
講座を終えた 1,000 人が、その後も自力で使い続けるか。Meta One の AI 枠が、既存プランからの移行ではなく新規の課金として積み上がるか。この二つが、入口の設計の当たり外れを分ける。