同じ会社の提携が二つ、違う顧客に向いた。ブラウザでは残さないことを、石油・ガスでは深く入り込むことを売る。
Mistral が Mozilla との提携を発表した。Firefox の閲覧補助機能「Smart Window」のベータ版が Mistral のモデルで動く。まずフランスと北米、年内に英国とドイツへ広げる。会話は既定で Mozilla のサーバに残さず、Mistral 側もデータを保持しないと説明している。一方、仏 TotalEnergies も Mistral と組み、石油・ガス開発向けの AI モデルを共同開発すると伝えられた。推定 1 億ユーロ規模の 3 年契約とされる。
二つの契約は、Mistral が売るものが顧客で反転することを示している。ブラウザ側で前に出るのは「保存しない」という約束で、欧州の利用者への分かりやすい差別化だ。産業側で価値になるのは逆向きの性質だ。その企業の現場に合わせて作り込むほど効き、そのためにデータを預けてもらう必要がある。欧州の基盤モデル企業が独立を保つには後者の規模が要る、とは読める。※ ただし TotalEnergies 側が何をどこまで預けるかは公表されていない。
Smart Window のデータを残さない条件が、英国とドイツへ広げた後も維持されるか。そして TotalEnergies 級の産業契約が、この一件で終わるか、他のエネルギーや製造業へ続くか。